百人一首(56)和泉式部/あらざらむこの世のほかの…楷書・ゆる文字・かな文字で描く書道アート

56番・和泉式部の和歌

ポストカードに顔彩(絵の具)を使い、3種類の書体(楷書・ゆる文字・かな文字)をで描いています

クラフトパンチで青色の帽子をかぶった妖精さんたちや、桜の花びらを作って飾り付けしているので、ぜひ!見てくださいな♪

他にも歌意・解説あり

最後に「わたしのひとりごと」

※画像はクリックで拡大するよ!

華やかな思い出、悲しみの色に染まる花びらをイメージしてみたよ!

妖精さんが持ってきた花びらは喜びの色かな?

かいしょであそぼ!

出典:後拾遺和歌集 恋

あらざらむ こののほかの

おも出に

いまひとたびの 逢ふあうこともがな

歌の意味

わたしはやまいにより

まもなく死んでしまうでしょう

せめて…

あの世への思い出として

もう一度だけ

あなたにおいしたいものです

言葉の意味

【あらざらむ】
 自分が生きていないであろう
 死んでしまうでしょう

【この世のほかの】
 漢字で「この世の外の
 現世の外の世界・死後の世界

【今ひとたび】
 もう一度

【もがな】
 「~であったらなぁ
 実現が難しい希望

ゆる文字であそぼ!

歌の解説

詞書(ことばがき)には…

心地れいならずはべりけるころ、人のもとにつかはしける」と書かれている

自身が重い病気にかかり死を予感した時

心残りを歌にして、思いを寄せる男性のもとにおくった歌である

歌をおくった相手の男性は不明

あらざらむ」は自分がまもなく死んでしまうだろうという意味

この世のほか」は死後の世界のこと

死を覚悟したやまいの床から「この世の思い出のために、もう一度あなたにいたい!」と自分の気持ちをストレートに表現していて、後の時代に高く評価される

和泉式部ってどんな人?

和泉式部(いずみしきぶ)
〔978年頃~没年不詳〕

和泉はもと夫であるたちばな道貞の役職名

式部は女官の呼び名

60番の小式部内侍は娘である

和泉式部の母は…

冷泉れいぜい天皇(第63代天皇)の皇后である昌子(しょうし/まさこ)内親王の女房であった

女房(にょうぼう)とは…

宮中で働く女性のことだけど、もとは使用人の女性部屋のことだったんだって!

幼い頃からはなやかな世界(宮中)で育った和泉式部は、16歳頃には和歌の才能を認められていた

恋多き女流歌人

最初の夫との娘が小式部内侍である

冷泉(れいぜい)天皇の2人の皇子おうじと恋愛をして結ばれるが、2人とも若くして亡くなってしまう

その後…

また別の男性と再婚した

晩年は…

娘の小式部内侍にも先立たれ、不遇ふぐうだったようだ

自由な恋愛に生き、情熱的な歌を作った王朝第一の女流歌人である

『和泉式部日記』

1003年4月から10カ月間の日記

恋人であった(ため)(たか)親王と死別後

その弟の敦道あつみち親王と恋仲になり、屋敷へ迎えられるまでの心情が書かれている

恋愛物語のように描かれた有名な作品

かな文字であそぼ!

変体仮名:もとの漢字

あらさらむ のよ能本可農のほかの

おも亭二てに

万飛登多まひとた ふこともかな

わたしのひとりごと

恋多き情熱的な女流歌人といえば、真っ先に浮かぶのが9番の小野小町なんだけど…

百人一首「恋多き女ベスト3」では…

19番の伊勢、38番の右近

そして…

和泉式部!といわれている

彼女の経歴は本当にすごい!!

ぶっちぎりの1位は和泉式部なんじゃないかと思ってしまう

【最初の夫】

親子に近い年齢差があったとされる

橘道貞(たちばなのみちさだ)

和泉国(大阪府南西部)の国司であった

娘の小式部内侍も生まれ、幸せな生活を送っていたのだが…

【許されぬ恋】

夫婦のすれ違いにより

寂しい思いをしていた和泉式部

彼女の情熱的な歌が評判になり近づいて来たのが、冷泉れいぜい天皇の第三皇子である(ため)(たか)親王だった

しかし…

2人の関係が世間に知れ渡ると

結婚しているのにもかかわらず、身分違いの恋愛に父親から勘当され、夫とも離婚することとなってしまったのだった

全てを失った和泉式部は為尊ためたか親王との逢瀬おうせを重ねていくのだが…

1年後…

彼はやまいにより26歳の若さで急死する

【朝廷をゆるがす不祥事】

為尊ためたか親王が亡くなってから数カ月後

弟である敦道あつみち親王(冷泉天皇の第四皇子)から花が届けられる

亡き兄を一緒に忍びませんか?」という思いが込められていたのだとか…

それを知った和泉式部は返歌を贈る

敦道親王は歌の上手さに心奪われ恋が始まり、宮廷で一緒に住むことになったのだった

そのことを知った親王の正妻が激怒!

実家に帰ってしまう

和泉式部は表向き召使めしつかいとされていたけれど、正妻と同じように扱われていたみたいだよ!

正妻を追い出したという大スキャンダルに批判を浴びた2人だったが…

55番の藤原公任の白河院へ花見に出かけたり、牛車に同乗して葵祭を見物したりと、世間を挑戦するような熱愛ぶりだったそうだ

4年後…

敦道親王やまいにより27歳で亡くなる

【最後の夫】

時の権力者である藤原道長の配慮はいりょにより、その後も宮中で働いていた和泉式部

相変わらず、多くの男性から恋文が届いていたようだが…

藤原道長の信望が厚かった藤原保昌やすまさと再婚し、一緒に丹後国(山陰地方)へ行く

藤原保昌は最初の夫同様、親子ほどの年齢差があったみたいだよ!

その後…

娘の小式部内侍に先立たれ、晩年は夫とも不仲になり出家したとも伝えられている

【酷評】

権力者だった藤原道長からは…

浮かれ女」と評され

同僚の女房であった紫式部には…

恋文や和歌は素晴らしいが、素行には感心できない」と批判されてしまう

藤原道長は才能を認めていたから、からかっていただけなのかも…

恋愛遍歴が多い和泉式部だけど、彼女はものすごく努力家なんだよね!

和歌の表現や歌材、詠出手法

その他にも…

漢詩の勉強もしていたそうなのだ

男性の言葉も自在によみこなせて、男の人から和歌の代作も頼まれることがあったらしい
カッコイイ♡(*´˘`*)♡

わたしもれちゃいそうだよ!

あらざらむ この世のほかの

思ひ出に…

いまひとたびの 逢ふこともがな

死期が近いことをさとった彼女は、この歌を誰におくったのだろうか…

最後の夫?

もしかしたら…

子どもが生まれ幸せな生活を送っていたあの頃、小式部内侍の父親でもある最初の夫かもしれない

いろいろ考えると切なくなってくる

参考文献

【書籍】

1.神作光一 監修
 小学生のまんが百人一首辞典
 出版社 学研プラス/256頁
 発売日2005年12月

2.著書 小池昌代
 ときめき百人一首(14歳の世渡り術)
 出版社 河出書房新社/256頁
 発売日1017年2月

3.吉海直人 監修
 百人一首大事典 ―完全絵図解説―
 出版社 あかね書房/143頁
 発売日 2006年12月

4.著書 佐佐木幸綱
 口語訳詩で味わう百人一首
 出版社 さ・え・ら書房/221頁
 発行日 2003年12月

5.著書 富谷松雲
 (ポケット版)常用漢字準拠
 ―八体事典―
 出版社 有紀書房/400頁
 発行日 1993年4月

6.編集 千草会/発行者 内山清蔵
 百人一首
 発行所 松魁堂/113頁
 発行日 1998年5月

【Webサイトの記事】

1.フリー百科事典 ―Wikipedia―
 和泉式部
 経歴・晩年・人物
 和泉式部の和歌の特徴
 更新日 2023年9月29日
 参照日 2023年12月15日

2.百人一首を探ろう
 和泉式部
 プロフィール・百人一首和歌へ
 参照日 2023年12月15日

3.変体仮名を調べる
 ―五十音順一覧―
 参照日 2023年12月15日

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