ポストカードに顔彩(絵の具)を使い、3種類の書体(楷書・ゆる文字・かな文字)を筆で描いています
クラフトパンチで青色の帽子かぶった妖精さんたちや、有明の月を作って飾り付けしているので、ぜひ!見てくださいな♪
他にも歌意・解説あり
最後に「わたしのひとりごと」
※画像はクリックで拡大するよ!

夜明け前、知らん顔している有明の月をイメージしてみたよ!
妖精さんは冷たいお月さまに、ラブ注入?
かいしょであそぼ!

有明の つれなく見えし 別れより
あかつきばかり 憂きものはなし
歌の意味
有明の月が…
つれなく見える
冷たくなってしまった
あなたとの別れ以来
だんだんと空が明るくなる
夜明け前になると…
つらい気持ちになってしまうのです
言葉の意味
【有明】
夜が明けて間もない頃
まだ空に残っている月のこと
【つれなく】
冷ややかで薄情、冷淡、冷たい
【あかつき】
漢字で「暁」
だんだんと空が明るくなる夜明け前
【憂き】
つらい、苦しい
ゆる文字であそぼ!

歌の解説
『古今和歌集』に「会わずに帰る恋」として載っている
この歌にはいろいろな説ある
好きな女性のところへ行ったのに冷たくされて、明け方の月を見ながら1人さみしく帰る男性の気持をよんだとされている説
他には…
恋人どうしの男女が一夜をともに過ごしたものの、女性に冷たくされ帰る途中、空に月が出ているのを見て「月を見ると別れを思い出すため辛くなる」という気持ちをよんだという説
どちらにしろ、有明の月を見ると別れを思い出すので辛くなるという歌である
壬生忠岑ってどんな人?
壬生忠岑(みぶのただみね)
〔生没年不詳〕
41番の歌をよんだ壬生忠見の父
13番の陽成院(第57代天皇)にも仕えていたといわれている
『古今和歌集』の選者の1人
宮中の外回りの警備をしていたが官位が上がらず、役人としての人生はめぐまれなかった
しかし…
歌人としての才能は素晴らしく、歌合せなどに参加し活躍の場を広げていった
55番の大納言公任の著『和歌九品』では、忠岑の歌が最高位として取り上げられ、後世まで高い評価を得ている
かな文字であそぼ!

有明の 徒連那く見え志
王可れより
暁者可梨 うきも能盤なし
わたしのひとりごと
この歌の有明とは「有明の月」のこと
百人一首には、月がよまれている歌は12首ある
そのうちの4首が有明の月なんだよね!

【有明の月】
図で見ると月のかたちは…
左側の満月以降、月齢16日~月齢29日
夜が明けても空に残っている月のこと
電気がなかった平安時代
東日本大震災での計画停電の夜を思い出す
月の光はものすごく明るくて、電灯がなくても普通に道を歩けるんだよね!
しかも…
青白く見える街並みが幻想的で美しい
恋人を待つ夜
眠れない夜
平安時代の貴族たちが、月の歌をよみたくなるのもうなずける
(´―`*)ウンウン
この歌は…
月も恋人も冷たかったという説と、月だけが冷たく見えたという説もあるみたいなんだけど…
たぶん…
恋人に冷たくされて1人でとぼとぼ歩いて帰っている時に見えた月が、彼女の冷たい横顔に見えたんじゃないかなぁ
満月だと自分を見てくれている感じがするけど、欠けている月は、そっぽ向いてるみたいだもんね
忠岑さんのもう1つの恋の歌
風吹けば 峰にわかるる 白雲の
絶えてつれなき 君が心か
【歌の意味】
風が吹くと峰から離れてしまう
白い雲は…
まったくつれない
あなたの心のようです
この歌もまた、女性にふられてしまった歌のように思える
同じ女性におくったのか…
別の人なのか…
もしかしたら、最初から相手にされなかったのかもしれない
忠岑さんがモテないのは、官位が上がらず出世しなかったのが原因なのだろうか?
当時、貴族の結婚は、身分やお家柄を大切にしていたもんね
現代はというと…
平成初めのバブル期の時代
女性が求める結婚の条件としてよく言われていた「3高」というワード
3高とは
【高学歴】【高収入】【高身長】
そして…
時代は平成から令和へと移り変わり
現在は「4低」が理想の男性らしい
4低とは
【低姿勢】
威張らないこと
【低依存】
家事や子育てを任せきりにしない
【低燃費】
浪費家ではないこと
【低リスク】
リストラの心配がないこと
他にも…
生存力・生活力・生産力の「3生」とかいうワードもあるらしいよ
((´∀`))ケラケラ
28番の源宗于さんも、自分の境遇を嘆く歌をよんでいたけれど…
忠岑さんも、宮中から外回りの警備に異動になった時のことを嘆いた長歌がある
面白いので紹介するよ!
出典:古今和歌集
(※歌意を一部抜粋、原文は参考文献にリンクあり)
【歌の意味】
― 省略 ―
春は霞のように心が晴れず
夏は空蝉のように泣き暮らす
秋は時雨(涙)で袖を濡らし
冬は霜に責められるような苦しみ
― 省略 ―
身分が低く、年老いていく苦しさを
隠しつつ
顔をおおう老いのしわは…
難波の浦に立つ波と同じ
― 省略 ―
さすがに命は惜しいので…
越の国(北陸)に
白山の音羽の滝にあると伝え聞く
不老不死の薬を手に入れ若返り
天皇の御代を幾代にもわたって
見てみたものだ
不満だらけの歌なんだけど
突然、最後の最後で…
不老不死の薬で長生きして、天皇が代替わりするのを見てみたと言っている
天皇が政治を行っていた時代だから、世の中の移り変わりを自分の目で見たかったんだろうね
歴史を知っているわたしから見ると…
忠岑さんの時代は、良い世の中だと思うけどなぁ
今現在…
物価高なのに、税金ばかり取られて不満ばかりだけれど、本当は幸せなのかもしれない
戦時中の食糧難に比べたら…
(´-ω-`)
参考文献
【書籍】
1.神作光一 監修
小学生のまんが百人一首辞典
出版社 学研プラス/256頁
発売日2005年12月
2.著書 小池昌代
ときめき百人一首(14歳の世渡り術)
出版社 河出書房新社/256頁
発売日1017年2月
3.吉海直人 監修
百人一首大事典 ―完全絵図解説―
出版社 あかね書房/143頁
発売日 2006年12月
4.著書 佐佐木幸綱
口語訳詩で味わう百人一首
出版社 さ・え・ら書房/221頁
発行日 2003年12月
5.著書 富谷松雲
(ポケット版)常用漢字準拠
―八体事典―
出版社 有紀書房/400頁
発行日 1993年4月
6.編集 千草会/発行者 内山清蔵
百人一首
発行所 松魁堂/113頁
発行日 1998年5月
【Webサイトの記事】
1.フリー百科事典 ―Wikipedia―
壬生忠岑
系譜・経歴
更新日 2022年11月6日
参照日 2023年6月14日
2.百人一首を探ろう
壬生忠岑
プロフィール・百人一首和歌へ
参照日 2023年6月14日
3.ミロール倶楽部
古今和歌集の部屋
巻十九 壬生忠岑
参照日 2023年6月14日
4.変体仮名を調べる
―五十音順一覧―
参照日 2023年6月14日
【イラスト】
1.イラストのフリー素材サイト
―illust AC―
月齢