ポストカードに顔彩(絵の具)を使い、3種類の書体(楷書・ゆる文字・かな文字)を筆で描いています
クラフトパンチで空色の帽子をかぶった妖精さんたちや、雪の結晶を作って飾り付けしているので、ぜひ!見てくださいな♪
他にも歌意・解説あり
最後に「わたしのひとりごと」
※画像はクリックで拡大するよ!

冬の山里、チラチラと雪が降るさみしい風景をイメージしてみたよ!
寒くても妖精さんたちは元気いっぱいだね!
かいしょであそぼ!

山里は 冬ぞさびしさ まさりける
人目も草も かれぬと思へば
歌の意味
山里はいつも寂しい
冬になると…
いっそう寂しさを感じるのだ
人もたずねて来なくなり
草も枯れてしまうと思うと…
言葉の意味
【山里】
山村にある庵や別荘
【人目】
人の出入り
【かれぬ】
人目が「離れ」と草が「枯れ」
の掛詞(かけことば)
ゆる文字であそぼ!

歌の解説
日ごろから寂しい山里なのに…
冬になると人も訪れなくなり、草も花も枯れてしまうと思うと、心をなぐさめてくれるものが何もなくなってしまう
そんな心の寂しさをよんだ一首である
なかなか官位が上がらず出世できなかったため、自分が恵まれていない悲しい気持ちをよんだともされている
本歌取りの歌

本歌取りとは…
もともとあった歌を、そのテーマや言葉を変えて歌をよむ技法のことだよ!
この歌は、15番の光孝天皇(第58代天皇)の皇子である是貞親王の「歌合せ」の時によまれた2首がもとになっている
30番の壬生忠岑がよんだ歌
山里は 秋こそことに
わびしけれ
鹿の鳴く音に 目をさましつつ
【歌の意味】
山里は…
秋こそが、もっとも寂しい季節
鹿の鳴く声が聞こえるたびに
目を覚ましてしまうのですよ!
34番の藤原興風がよんだ歌
秋来れば 虫とともにぞ
なかれぬる
人も草葉も かれぬと思へば
【歌の意味】
秋が来ると、虫が鳴くように…
自分自身も悲しくなり泣きたくなる
人もたずねて来なくなり
草の葉も枯れてしまうと思うと…
本歌は2首とも秋の歌だが、冬の歌にして更に寂しさを表現している
源宗于朝臣ってどんな人?
源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん)
〔生年未詳~939年〕
皇族の身分を離れ源姓を名のっている
朝臣は名前の下に付け敬意を表す呼び名
15番の光孝天皇(第58代天皇)の孫
三十六歌仙の1人である
19番の伊勢や35番の紀貫之とは、歌をおくる仲だった
元皇族ではあったが、高い地位につくことが出来ず、境遇を嘆く歌が色々と残されている
かな文字であそぼ!

山里盤 冬曽沙飛しさ 万さり介る
人免も草毛 可れぬ登於もへ者
わたしのひとりごと
山里とは…
都(京都)から少しはなれた嵯峨野や宇治など、景色が良い場所のこと
嵯峨野や宇治は今でも紅葉の名所
そこには…
貴族たちの別荘や山荘が、たくさん建てられていたそうな
おすすめの紅葉スポットとして紹介されている宇治の平等院は、14番の河原左大臣の別荘なんだよね
宇治といえば、お抹茶‼
紅葉を眺めながら抹茶グルメを満喫する
憧れるなぁヾ(≧▽≦*)o
さびしい山里とはいえ
春はお花見、秋は紅葉狩り、賑やかだったに違いない
それが一転‼
冬になると寒くて誰も訪れなくなるし、家のまわりに生えている草や葉っぱも枯れてしまう
そりゃ、寂しいよね…
子どもたちが小さかったころ、生協の山里ツアーに何回か参加したことがある
釣りをしたり、野菜収穫をしたり、夏の夜だと蛍鑑賞、秋だとキノコ狩り
企画が盛りだくさんで楽しかったなぁ
ツアーで行ったから、子どもたちも大勢いいて賑やかだったけど、山里に1人で住んでいたら、物凄く静かで寂しいと思う
ましてや…
虫の声も聞こえない、花も咲いていない冬なんて…
しかも…
宗于さんてば、出世できなくてネガティブになっていたみたいだし
というのも…
『大和物語』に自分の官位があがらないことを、天皇に嘆く逸話が載っているのだとか…
宇多天皇(第59代天皇)が、紀伊国(和歌山県)から石についた海松という海草(食用の海藻)を奉ったことをお題として…
宗于さんがよんだ愚痴の歌
沖つ風 ふけゐの浦に 立つ浪の
なごりにさへや われはしづまぬ
【歌の意味】
沖から風が吹き
吹井の浦に波が立つ
石についた海松のような私は…
余波で波打ちぎわにもうち寄せられず
沈んだままなのでしょうか…
自分の思いを伝えようとしたのだが、宇多天皇は「何のことだか、この歌の意味がわからない…」と側近の者に話されて効果はなかったようだ
光孝天皇の孫なのに…
皇族の身分を離れ、皇位継承の道を閉ざされてしまった宗于さん
愚痴の1つも、言いたくなるよね…
家庭内でも…
娘の結婚に期待しながらも実らなかったとか、息子が博打をして一族から見放されたとか…
親としても苦労がたえなかったみたいだよ!
それでも、歌が百人一首に選ばれて、現在も多くの人たちによまれているのは、出世するよりもすごい事なんだけど…
当時の宗于さんには知るよしもない
参考文献
【書籍】
1.神作光一 監修
小学生のまんが百人一首辞典
出版社 学研プラス/256頁
発売日2005年12月
2.著書 小池昌代
ときめき百人一首(14歳の世渡り術)
出版社 河出書房新社/256頁
発売日1017年2月
3.吉海直人 監修
百人一首大事典 ―完全絵図解説―
出版社 あかね書房/143頁
発売日 2006年12月
4.著書 佐佐木幸綱
口語訳詩で味わう百人一首
出版社 さ・え・ら書房/221頁
発行日 2003年12月
5.著書 富谷松雲
(ポケット版)常用漢字準拠
―八体事典―
出版社 有紀書房/400頁
発行日 1993年4月
6.編集 千草会/発行者 内山清蔵
百人一首
発行所 松魁堂/113頁
発行日 1998年5月
【Webサイトの記事】
1.フリー百科事典 ―Wikipedia―
源宗于
経歴・逸話・官歴
更新日 2022年1月28日
参照日 2023年6月7日
2.百人一首を探ろう
源宗于朝臣
プロフィール・百人一首和歌へ
参照日 2023年6月7日
3.変体仮名を調べる
―五十音順一覧―
参照日 2023年6月7日