百人一首(53)右大将道綱母/嘆きつつひとり寝る夜の…楷書・ゆる文字・かな文字で描く書道アート

53番・右大将道綱母の和歌

ポストカードに顔彩(絵の具)を使い、3種類の書体(楷書・ゆる文字・かな文字)をで描いています

クラフトパンチで青色の帽子をかぶった妖精さんたちや、菊の花を作って飾り付けしているので、ぜひ!見てくださいな♪

他にも歌意・解説あり

最後に「わたしのひとりごと」

※画像はクリックで拡大するよ!

菊の花びらが散っている物悲しい風景をイメージしてみたよ!

妖精さんたちは、花びらを1枚1枚集めているんだね…

かいしょであそぼ!

出典:拾遺和歌集 恋

なげきつつ ひとり

くる

いかにひさしき ものとかは

歌の意味

あなたは来てくださらない

嘆き悲しみながら

1人で寝る夜が明けるまでの時間

どれだけ長く感じられることか…

あなたはご存じないでしょうね!

言葉の意味

【明くる間は】
 夜が明けるまでの間

【いかに】
 どれだけ、どんなに

【久しき】
 長い時間を意味する

【ものとかは知る】
 ご存じないでしょう
 わからないですよね

ゆる文字であそぼ!

歌の解説

拾遺しゅうい和歌集』の詞書によると…

夫である藤原兼家かねいえが家に訪れた時

わざと長い時間待たせて門を開けると「待たされて、立ち疲れてしまったよ…」と不満を言って入ってきたので、この歌をよんだと書かれている

しかし、『蜻蛉かげろう日記』では…

夫には何人もの恋人がいて、生まれたばかりの子どもがいる道綱母のところへは、めったに来なくなってしまった

ある日の夜

夫が久しぶりに訪ねて来たのだが、町の小路の女の家に通い始めたことを知っていた道綱母は、腹立たしさのあまり門を開けず追い返してしまったのだった

そのよく朝

夫に「色あせた菊」を添えて、この歌をおくったと日記にはしるされている

花(菊)の色の移ろいに「夫の心変わり」をほのめかせ、浮気心を責める歌である

右大将道綱母ってどんな人?

右大将道綱母
(うだいしょうみちつなのはは)
〔937年頃~995年頃〕

中流貴族の娘であったため、本名は伝えられていない

大臣家の御曹司おんぞうしである藤原兼家かねいえと結婚し、第二夫人となり道綱を産んだ

右大将は息子である道綱の役職名

宮仕えの経験はなく、生涯を家庭人として送った

本朝三大美人の1人に選ばれるほどの美しさで、『大鏡』にはきわめつけの和歌の名人と書かれているほど、美貌びぼうと歌の才能に恵まれた女性である

本朝三大美人とは日本三大美人の中の1つだよ!

蜻蛉かげろう日記』の作者

夫である藤原兼家との交際から21年間にわたる半生をつづったのが『蜻蛉日記』である

没年より約20年前

39歳の大晦日を最後に筆が途絶えている

姪に『更級(さらしな)日記』を書いた菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)がいる

かな文字であそぼ!

変体仮名:もとの漢字

きつ ひとりねる夜能よの

あくる万者まは

可二かにひさしき もの登可盤とかはしる

わたしのひとりごと

平安時代の女性の多くは…

本名がわからない

知名度のある57番の紫式部や62番の清少納言も役職名だしね

当時は…

男性でも本名で呼ぶのは失礼にあたるようで、役職名や住んでいる地名で呼ばれていたそうだ

言霊信仰があった時代

本名を知られるということは…

相手に命をられているのと同じくらい恐れられていたらしい

女性だったらなおさら教えないよね!

女の人の名前を知っている人は、家族と夫くらいだったらしいよ!

「道綱母」

この呼び名が可愛いと感じるのは、わたしだけであろうか…

今風に呼べば「道綱ママ」だよね?

子どもたちが幼稚園に通っていた時

ママ友から「○○ちゃんママ」とか「○○ママ」と呼ばれていたのを思い出す

かなり昔のことだけれど…

子どもの名前にママをつけて呼ぶのではなく、母自身の名前で呼ばれたい

というコラムを読んだことがある

当時のわたしは「そうかなぁ?」とあまり気にすることはなかった

でも、振り返ってみると…

子どもたちが小さかった頃を思い出す素敵な呼び名だったと思う

さて…

蜻蛉(かげろう)日記』の作者でもある道綱ママ

日記には…

21年にもわたる夫との結婚生活や旅先での出来事、息子のことなどなど

自分の気持を通してつづられている

拾遺しゅうい和歌集』には…

長い時間、門の前で待たされていた夫が愚痴ぐちを言っているのを聞いて、道綱母がこの歌をよんだことになっているらしいけれど…

蜻蛉日記』では…

夫への気持ちが事細かく書かれていて、少し違う内容になっている

道綱母の本当の気持ち

息子が生まれたばかりの頃

宮中で用事があるからと言い残し、さっさと帰ってしまった夫の藤原兼家

怪しく思って使用人に後をつけさせると…

仕事はウソで、町の小路の愛人のもとへ通っていたのである

2、3日後に訪れて来たが…

道綱母の怒りは収まらず「絶対にってやるものか!」と門を開けなかった

すると、しばらくして…

夫は愛人の家に行ってしまった

このまま黙っていることもできず

翌朝、和歌と色あせた菊を添えて贈ったのだった

その後

夫から返歌が届いたのだが…

妻の切実な思いを軽く受け流す内容であった

※百人一首を探ろう・右大将道綱母の作品トピックスより要約、参考文献にリンクあり

夫が通って来なくなると金品や贈り物などが届けられず、妻の実家が貧しくなってしまう時代

生まれたばかりの息子の将来を考え

ムカつくけれど…

何とか夫の心をつなぎ止めなければと思ったのかもしれない

たくさんの妻がいる浮気性の夫

哀しみや恨みを、日記に書きまくりたくもなるよね!

令和の時代だったら…

SNSで自分の気持ちを投稿しているかもしれない

現在でも…

共感してくれる女性は多いと思う

美人で語彙ごい力のある道綱ママ

絶対にインフルエンサーになっているに違いない

参考文献

【書籍】

1.神作光一 監修
 小学生のまんが百人一首辞典
 出版社 学研プラス/256頁
 発売日2005年12月

2.著書 小池昌代
 ときめき百人一首(14歳の世渡り術)
 出版社 河出書房新社/256頁
 発売日1017年2月

3.吉海直人 監修
 百人一首大事典 ―完全絵図解説―
 出版社 あかね書房/143頁
 発売日 2006年12月

4.著書 佐佐木幸綱
 口語訳詩で味わう百人一首
 出版社 さ・え・ら書房/221頁
 発行日 2003年12月

5.著書 富谷松雲
 (ポケット版)常用漢字準拠
 ―八体事典―
 出版社 有紀書房/400頁
 発行日 1993年4月

6.編集 千草会/発行者 内山清蔵
 百人一首
 発行所 松魁堂/113頁
 発行日 1998年5月

【Webサイトの記事】

1.フリー百科事典 ―Wikipedia―
 右大将道綱母
 人物・和歌
 更新日 2023年7月26日
 参照日 2023年11月9日

 日本三大美人
 個人
 更新日 2023年7月26日
 参照日 2023年11月9日

2.百人一首を探ろう
 右大将道綱母
 プロフィール・百人一首和歌へ
 参照日 2023年11月9日

3.変体仮名を調べる
 ―五十音順一覧―
 参照日 2023年11月9日

タイトルとURLをコピーしました