百人一首(74)源俊頼朝臣/憂かりける人を初瀬の…楷書・ゆる文字・かな文字で描く書道アート

74番・源俊頼の和歌

ポストカードに顔彩(絵の具)を使い、3種類の書体(楷書・ゆる文字・かな文字)をで描いています

クラフトパンチで、空色の帽子をかぶった妖精さんたちや、落ち葉を作って飾り付けしているので、ぜひ!見てくださいな♪

他にも歌意・解説あり

最後に「わたしのひとりごと」

※画像はクリックで拡大するよ!

木枯らしの季節、落ち葉が舞う風景をイメージしてみたよ!

強風に飛ばされないように、妖精さんたちは気をつけてね!

かいしょであそぼ!

出典:千載和歌集 恋

かりける ひと初瀬はつせ

やまおろしよ

はげしかれとは いのらぬものを

歌の意味

私に冷たかったあの人が

思いを寄せてくれますようにと

観音さまにお祈りしたのだが…

初瀬の山おろしよ!!

おまえのように

あの人の心が激しく冷たくなれと

祈らなかったのに…

言葉の意味

【憂かりける人】
 冷たかった人、つれないあの人

【初瀬】
 現在の奈良県桜井市の地名
 長谷寺の観音がある場所

【山おろし】
 山から吹き下ろす冷たく厳しい風

【はげしかれとは】
 もっと激しくなれと呼びかける言い方

ゆる文字であそぼ!

歌の解説

詞書(ことばがき)では…

藤原俊忠の屋敷で「祈れども逢わざる恋」の題でまれたとある

藤原俊忠は97番の藤原定家の祖父だよ!

相手の心が冷たくて神仏に祈っても実らなかった恋」というお題でよまれた一首

思いを寄せている女性が冷たい態度で振り向いてくれず観音さまに祈りに行ったが、初瀬の山から吹き下ろす激しい北風のように、相手はさらに冷たくなってしまったとなげいている歌である

山おろし」は山から吹き下ろす風のこと

相手のつれなさ、冷たさを初瀬の名物「山おろし」にたとえている

初瀬は現在の奈良県桜井市にある

平安時代には観音信仰で有名な長谷寺があり「初瀬もう」で盛んだった

初瀬の長谷寺 ーPhoto ACー

13世紀初めの鎌倉時代には…

あまりにも多くの人々が参拝に訪れて、けが人が出るほどだったと記録がある

源俊頼ってどんな人?

源俊頼朝臣
(みなもとのとしより あそん)
〔1055~1129年〕

朝臣は名前の下に付け敬意を表している

71番の大納言経信の息子

85番の俊恵法師の父

雅楽の「ひちりき」を得意とし、堀河天皇(第73代天皇)の楽人がくじんだった

ひちりき ーPhoto ACー

1078年『承歴内裏歌合』では楽人として参加している

楽人(がくじん)とは雅楽を演奏する人だよ!

その後、和歌の才能も認められ多くの歌合せに参加する

70歳で白河法皇(第72代天皇)のめいにより『金葉和歌集』の撰者となる

歌風は父の大納言経信よりも斬新ざんしんな歌をよみ、時代をリードする歌人であった

かな文字であそぼ!

変体仮名:もとの漢字

うかりる ひとつせ

やまろしよ

者希志可はけしかれと いのらぬも農越のを

わたしのひとりごと

恋の歌だけれど…

山おろし」という言葉が入っていることから、百人一首の中でも数少ない冬の歌でもある

埼玉県でも冬から春にかけて、午後になると毎日のように冷たい北風が吹く

住み始めた頃は「今年はよく風が吹くなぁ」と思っていたのだが、東京の実家に電話すると風なんかまったく吹いていなくて驚くことが度々あった

どうやら、群馬の赤城山から吹いてくる強風らしく「赤城おろし」というらしい

冬の季節は、この冷たい強風のせいで更に寒く感じるのだ

そんな「山おろし」のような対応を、俊頼はされたのだろうか?

仲間うちでの歌合せで、お題が「祈れども逢わざる恋」ということもあり、想像してよんだのかもしれないけれど、初瀬の山おろしは実際に体感しているような気がする

【観音信仰】

平安時代には、危機になると救いの手を差し伸べてくれる観音さまが広く信じられてきた

初瀬の長谷寺・本堂 ーPhoto ACー

特に初瀬の長谷寺は京都の清水寺と並ぶ「霊験れいげんあらたか」な寺として人気のパワースポットだったらしい

霊験あらたか」とは…
神や仏から最強のご利益りやくが受けられることだよ!

長谷寺の観音さまのご利益は「十種類の現世利益と四種類の来世果報

重要文化財に指定されている10メートルもある大きな十一面観音菩薩ぼさつさまがいらっしゃる

度重なる火災により造り直されているから、平安貴族たちが拝んだ観音さまではないけれど…

わたしも拝んでみたいと思う

そして…

初瀬おろし」は「赤城おろし」よりも冷たい風が吹くのか体感してみたい

(・∀・)ニヤニヤ

【個性的な歌をよむ歌人】

斬新ざんしんな歌をよみ、時代を先取りしていた源俊頼のおもしろエピソードがある

藤原忠通の邸宅で歌会がもよおされた時のこと

藤原忠通は76番の法性寺入道前関白太政だよ!

歌をよみ上げる役目の78番の源兼昌が、俊頼の歌をよもうとすると…

短冊にみ人の名前がないのに気付く

俊頼に知らせようと目配せしたり、せき払いをするのだが気付いてくれない

仕方なく小声で…

お名前をお忘れでは?」と伝えると

俊頼は…

そのまま、およみなさい」と言う

言われるままに歌をよみ上げると…

詠人よみびと名がない源俊頼の歌

出典:無名抄

はなの 白髪しらがとも

ゆるかな

しづ垣根かきねも としよりにけり

【歌の意味】

卯の花が…

我が身の白髪のように見える

みすぼらしい小屋の垣根も

私自身も年を取ったなぁ

歌の中に我が名あり

歌には俊頼(としより)の名がよみ込まれていたのである

よみ上げた源兼昌も感動し

藤原忠通もたいへん面白がった

(※ ―Wikipedia―の源俊頼の逸話より参照、参考文献にリンクあり)

なかなか思いつかない発想!

しかも自分の名前が「俊頼としより」と「年寄とし」の掛詞になっている!

(* ´艸`)クスクス

百人一首の撰者 藤原定家も絶賛していたそうだ

しかし…

こころよく思っていない人物もいる

ライバル関係で対立していた

75番の藤原基俊

彼は保守的な立場で、俊頼の歌を「ざれごと」とけなしていたそうだ

戯言(ざれごと)とは…

ふざけた話、ばかばかしい話のことだよ!

それでも…

俊頼の斬新ざんしんな題材と手法をもちいた作風は、後世まで大きな影響を与えている

わたしは古風な和歌も素敵だと思うけれど、ユニークな和歌も大好きだ!

人それぞれの好みなのかもしれないけれど…

参考文献

【書籍】

1.神作光一 監修
 小学生のまんが百人一首辞典
 出版社 学研プラス/256頁
 発売日2005年12月

2.著書 小池昌代
 ときめき百人一首(14歳の世渡り術)
 出版社 河出書房新社/256頁
 発売日1017年2月

3.吉海直人 監修
 百人一首大事典 ―完全絵図解説―
 出版社 あかね書房/143頁
 発売日 2006年12月

4.著書 佐佐木幸綱
 口語訳詩で味わう百人一首
 出版社 さ・え・ら書房/221頁
 発行日 2003年12月

5.著書 富谷松雲
 (ポケット版)常用漢字準拠
 ―八体事典―
 出版社 有紀書房/400頁
 発行日 1993年4月

6.編集 千草会/発行者 内山清蔵
 百人一首
 発行所 松魁堂/113頁
 発行日 1998年5月

【Webサイトの記事】

1.フリー百科事典 ―Wikipedia―
 源俊頼
 来歴・逸話
 更新日 2023年4月7日
 参照日 2024年12月9日

 初瀬の長谷寺
 参照日 2024年12月9日

2.百人一首を探ろう
 源俊頼朝臣
 プロフィール・百人一首和歌へ
 参照日 2024年12月9日

3.変体仮名を調べる
 ―五十音順一覧―
 参照日 2024年12月9日

【写真】

1.写真のフリー素材サイト
 ―Photo AC―
 初瀬の長谷寺
 ひちりき

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