ポストカードに顔彩(絵の具)を使い、3種類の書体(楷書・ゆる文字・かな文字)を筆で描いています
クラフトパンチで、つゆ色の帽子をかぶった妖精さんたちや、波やカニを作って飾り付けしているので、ぜひ!見てくださいな♪
他にも歌意・解説あり
最後に「わたしのひとりごと」
※画像はクリックで拡大するよ!

海の波が押し寄せて来る浜辺の景色をイメージしてみたよ!
カニと遊ぶ妖精さん、ぬれないように気をつけてね!
かいしょであそぼ!

音に聞く 高師の浜の あだ波は
かけじや袖の ぬれもこそすれ
歌の意味
うわさに名高い
高師の浜の
いたずらに立つ波のように…
浮気で有名なあなたのお言葉は
心にかからぬようにします
悲しみの涙で
袖が濡れてはいけませんから
言葉の意味
【音に聞く】
うわさに名高い
【高師の浜】
大阪府堺市から高石市にかけての浜
「高師」と評判が高い「高し」の掛詞
【あだ波】
たいした風もないのに立つ波
この歌では浮気心のたとえ
【かけじや】
「かけまい」という意味
「波をかけまい」と
「思いをかけまい」の掛詞
ゆる文字であそぼ!

歌の解説
『金葉和歌集』の詞書には…
「1102年5月に催された堀河院艶書合(ほりかわいん えんじょあわせ)で詠まれた」と記述がある
①男女が左右に分かれる
②最初に男が恋の歌を女におくる
③受け取った女が返歌する
どれだけ「優れた恋の歌」がつくれるかを競う歌合せである
祐子内親王家紀伊に歌をおくったのは藤原俊忠だった
藤原俊忠の恋の歌
人知れぬ 思ひありその 浦風に
波のよるこそ 言はまほしけれ
【歌の意味】
人知れずあなたを思っています
荒磯の浦風に
波が押し寄せて来る夜
この思いを告げたいのです

「寄る」と「夜」
「思いありその」と「荒磯」は掛詞になってるよ!
「荒磯の浦」に対して「高師の浜」の海の歌枕
「ありそ・よる」に対して「高し・かけじや」の掛詞
「浦・波・寄る」に対して「浜・波・濡れ」の縁語
歌枕と掛詞、さらに縁語を使い
「浮気者に恋して泣くのは嫌です!」という気持ちを表現
やんわりと誘いを断る歌になっている

縁語(えんご)とは…
歌の中で関係の深い言葉を散りばめて連想する和歌の表現技法だよ!
『堀河院艶書合』の時
藤原俊忠は29歳
祐子内親王家紀伊は70歳だったといわれている

藤原俊忠は百人一首の撰者、97番の藤原定家の祖父だよ!
一宮紀伊ってどんな人?
祐子内親王家紀伊
(ゆうしないしんのうけのきい)
〔生没年不詳〕
本名は不明
兄(または夫)が紀伊守だったので紀伊とよばれていた

紀伊守は、紀伊国(和歌山県)の国司のこと
現在だと県知事の役職だよ!
後朱雀天皇(第69代天皇)の皇女
祐子内親王に仕えていたので祐子内親王家紀伊と呼ばれている
一宮紀伊(いちのみやきい)とも呼ばれていた

内親王という名前を勘違いして、几帳や繧繝縁の畳が描かれている百人一首かるたもあるそうだ

繧繝縁(うんげんべり)とは、天皇家が用いる格の高いたたみの縁のこと
色とりどりでキレイだよね!
平安時代後半
多くの歌合せに参加した名高い女流歌人
1113年『少納言定通歌合』
この歌合せで歌をよんでいることから、80歳を過ぎても現役歌人であったようだ
かな文字であそぼ!

於登耳きく 高師 能 浜の
あ 多 波 八
可希しや袖 乃 ぬ連もこ曽すれ
わたしのひとりごと
祐子内親王の女房だった紀伊さん
じつは…
紀伊さんの母も祐子内親王に仕えていたのだ
祐子内親王
(ゆうしないしんのう)
〔1038~1105年〕
後朱雀天皇の皇女であり
一条天皇と中宮彰子の孫でもある
社交的な祐子内親王は、歌合せを盛んに催すなど一大サロンを形成した人物だった
お抱え歌人は紀伊さんの他
『更級日記』で有名な菅原孝標女(すがわらの たかすえの むすめ)が仕えていたそうだ
「音に聞く~♪」の歌をよんだ『堀河院艶書合』では、紀伊さんは70歳といわれている
この時、祐子内親王は64歳
年上の頼れるお姉さんのような存在だったのだろう
そして…
歌合せで紀伊さんに恋の歌をおくった藤原俊忠
29歳とはいえ実力のある歌人である
40歳近くも年上のベテラン歌人に、和歌の表現技法をふんだんに使って挑むも
「あなたは浮気者で有名だからダメよ!」と返歌されて撃沈
実際に…
妻との子どもが男の子5人
生母不明の子どもたちが男の子12人、女の子7人もいたのだ!
ヒィィーー(ノ)ºДº(ヾ)ーーィ!!!!!
まさに噂に名高い浮気男なのである
紀伊さんの歌を聞き「よく言った!」と心の中で笑っていた人も多かったのでは?
(・∀・)ニヤニヤ
そんな歯に衣着せぬ和歌をよむ紀伊さんのことを、祐子内親王は大変気に入っていたのだろう
わざわざ祐子内親王家紀伊と名乗らせているのも、そのせいなのかもしれない
わたしは藤原俊忠の「人知れぬ~♪」もなかなか良い歌だと思っている
対比するために紀伊さんの歌と並べても良かったのでは?と思ったのだが…
百人一首を編集した孫の藤原定家は、83番で父の藤原俊成の歌を選んでいる
やっぱり…
浮気で有名な祖父のことを「恥ずかしいなぁ」と思っていたのかもしれない
【高師の浜】
和泉国の高師の浜は…
今の大阪府堺市浜寺から高石市高師浜町におよぶ大阪湾の浜辺

現在では埋め立てが進み、巨大な臨海工業地帯の一部として工場が立ち並んでいる
平安時代の風情ある景色を見ることはできないけれど「あだ波」は見られるかもしれない
(ΦωΦ)フフフ…
参考文献
【書籍】
1.神作光一 監修
小学生のまんが百人一首辞典
出版社 学研プラス/256頁
発売日2005年12月
2.著書 小池昌代
ときめき百人一首(14歳の世渡り術)
出版社 河出書房新社/256頁
発売日1017年2月
3.吉海直人 監修
百人一首大事典 ―完全絵図解説―
出版社 あかね書房/143頁
発売日 2006年12月
4.著書 佐佐木幸綱
口語訳詩で味わう百人一首
出版社 さ・え・ら書房/221頁
発行日 2003年12月
5.著書 富谷松雲
(ポケット版)常用漢字準拠
―八体事典―
出版社 有紀書房/400頁
発行日 1993年4月
6.編集 千草会/発行者 内山清蔵
百人一首
発行所 松魁堂/113頁
発行日 1998年5月
【Webサイトの記事】
1.フリー百科事典 ―Wikipedia―
祐子内親王家紀伊
経歴・作品
更新日 2023年11月29日
参照日 2024年11月1日
藤原俊忠
略歴・系譜
更新日 2023年8月22日
参照日 2024年11月1日
2.百人一首を探ろう
祐子内親王家紀伊
プロフィール・百人一首和歌へ
参照日 2024年11月1日
3.変体仮名を調べる
―五十音順一覧―
参照日 2024年11月1日
【写真】
1.写真のフリー素材サイト
―Photo AC―
大阪湾
2.―Wikipedia―
祐子内親王家紀伊百人一首かるた