百人一首(22)文屋康秀/吹くからに秋の草木の…楷書・ゆる文字・かな文字で描く書道アート

22番・文屋康秀の和歌

ポストカードに顔彩(絵の具)を使い、3種類の書体(楷書・ゆる文字・かな文字)をで描いています

クラフトパンチで濃緑色の帽子をぶった妖精さんたちや、落ち葉を作って飾り付けしているので、ぜひ!見てくださいな♪

他にも歌意・解説あり

最後に「わたしのひとりごと」

※画像はクリックで拡大するよ!

落ち葉が舞う季節、木枯らしが吹いている山をイメージしてみたよ!

嵐に吹っ飛ばされないように、妖精さんたち気をつけてね‼

かいしょであそぼ!

出典:古今和歌集こきんわかしゅう 秋

くからに あき草木くさき

るれば

むべ山風やまかぜを あらし言ふいう

歌の意味

山から風が吹くと…
すぐに秋の草木がしおれてしまう

なるほど‼

だから山風を嵐というのだろうなぁ

言葉の意味

【吹くからに】
 吹くやいなや、吹くとすぐに

【しをるれば】
 「しおる」は草木がしおれて、
 ぐったりしてしまうこと

【むべ】
 なるほど、いかにも

ゆる文字であそぼ!

歌の解説

」と「」の漢字を組み合わせると「」になるという、「漢字遊び」を取り入れた歌である

あらし」は「あらし」と「らし」の掛詞(かけことば)で、山風の荒々しさを表している

むべ」はなるほど!という意味

この歌は、漢字遊びを取り入れながら、晩秋の冷たく激しい風の様子を表現している

漢字の部分をはなしたり合わせたりして遊ぶことは中国で流行し、日本の歌人たちにも影響を与えた

文屋康秀ってどんな人?

文屋康秀(ふんやのやすひで)
〔生没年不詳〕

37番の文屋朝康の父

天武天皇(第40代天皇)の子孫にあたる

三河(愛知県)・山城(京都府)の地方官を務めた

官職は低かったが、清和(せいわ)天皇(第56代天皇)の皇后だった藤原高子(たかいこ)に頼まれ、17番の在原業平朝臣や21番の素性法師らとともに歌を作っていた

9番の小野小町とは、恋の歌をおくりあう仲だったと言われ、康秀が三河国(愛知県)へ赴任する時、小町を誘った逸話は有名である

滋賀県東近江市にある押立神社の宮司さんは子孫にあたる

かな文字であそぼ!

変体仮名:もとの漢字

 あきくさ

しをる連盤れは

むへやまかぜ あらしといふら

わたしのひとりごと

分からない漢字や言葉を調べるとき、電子辞書を使うときもあるけど…

最近はスマホでググる方が多いかな…

いつでも手元にあるしね

わたしが小学校3年生のときに買ってもらった漢和辞典

いろいろな漢字に出会えるのが楽しくて、よく眺めていたのを思い出す

「魚へん」「木へん」に「けものへん」

「ウ冠」「草冠」

耳もとでブ~ンと羽音がするから、虫+ブンで「

鳴き声がミョ~ウと聞こえるから、けものへん+ミョウで「ねこ

魚へんのページを見ると、いろんな魚が現れて楽しかったなぁ

この歌は漢字遊びを取り入れてるせいか、覚えるのも楽しいんだよね

今でも中高生は、百人一首の暗記の宿題はあるのだろうか…

わたしの姪っ子が嵐ファンで一生懸命、この歌を暗記していたのを思い出す

ぜんぜん関係ないんけど…

コンパスを漢字で書くと「円規

円を描く定規じょうぎってことだよね!

なるほどって納得してしまう
(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪

漢字検定1級で出てくる漢字らしい

ここまで来ると、日常では使わない漢字が出題されるらしくて、クイズを解いているみたいで面白いかもしれないね!

さて…

ここで漢字遊びの歌をもう一首‼

33番の紀友則さんの漢字遊びの歌

出典:古今和歌集

ゆきれば ごとはなぞ さきにける

いづれをうめと わきてらまし

【歌の意味】

雪が降ったので
木毎きごと(1本、1本の木)に
白い花が咲いたようです

どれが梅だと区別して
折ったらいいのでしょうか…

漢字遊びの歌として見てみると…

すぐに気づくよね!

」と「」の漢字を組み合わせると、「」という字になる

漢和辞典を眺めていたら、漢字遊びの歌をいろいろ作れるかもしれない

さて、じつは…

このお方も、9番の小野小町さんと交流があるのを知って調べてみたら…

かなり、親密な関係だったようだ
Σ(゚Д゚;エーッ!

年代がぜんぜん違うんじゃないの?と思ったんだけど…

康秀さんが三河国(愛知県)の地方官として赴任する時に、小町さんを誘ったようなのだ

それに対して…

小町さんの返歌

出典:古今和歌集

わびぬれば をうきくさ

えて

さそみずあらば いなとぞおも

【歌の意味】

こんなに落ちぶれてしまった我が身が
いやになってしまいました

根なし草のように…

誘いの水さえあれば、どこにでも
流れてお供しようと思います

古今著聞集ここんちょもんじゅう』などの説話集に、この歌のもとになった話があるみたいだね

(´ε`;)ウーン…
わたしの推察だと…

若い時のイケイケの小町さんじゃなくて、かなり高齢になってからの歌なのかなと思う

そして…

康秀さんの方は、まだバリバリ仕事ができる年齢

そう考えると…

年の差カップルだったのかな?

結局、同行したかは分からないそうだ

容姿を気にしているようだけど、いくつになっても男性に誘われる小町さん!

容姿だけでなく、教養があり、立ち振る舞いも美しかったに違いない

そういう女性は、年を増すごとに美しく輝くのだと思う

参考文献

【書籍】

1.神作光一 監修
 小学生のまんが百人一首辞典
 出版社 学研プラス/256頁
 発売日2005年12月

2.著書 小池昌代
 ときめき百人一首(14歳の世渡り術)
 出版社 河出書房新社/256頁
 発売日1017年2月

3.吉海直人 監修
 百人一首大事典 ―完全絵図解説―
 出版社 あかね書房/143頁
 発売日 2006年12月

4.著書 佐佐木幸綱
 口語訳詩で味わう百人一首
 出版社 さ・え・ら書房/221頁
 発行日 2003年12月

5.著書 富谷松雲
 (ポケット版)常用漢字準拠 ―八体事典―
 出版社 有紀書房/400頁
 発行日 1993年4月

6.編集 千草会/発行者 内山清蔵
 百人一首
 発行所 松魁堂/113頁
 発行日 1998年5月

【Webサイトの記事】

1.フリー百科事典 ―Wikipedia―
 文屋康秀
 経歴
 更新日 2022年11月6日
 参照日 2023年5月14日

2.百人一首を探ろう
 文屋康秀
 プロフィール・百人一首和歌へ
 参照日 2023年5月14日

3.変体仮名を調べる
 ―五十音順一覧―
 参照日 2023年5月14日

タイトルとURLをコピーしました